美しきはふるさと
「山紫水明」、日本人の感性のフィルターを通して水精の宿るような日本の山河を見ると、このような美しい言葉となります。季節と共に移ろう美しい日本の自然は、鳥の声を聞き、風の姿を見、花の心を知る日本人の感性を育み、自然観や死生観の深いところで日本人の心を培ってきました。
日本の伝統や祭り、生活様式や心のありようはその端々に至るまで、美しい風土の賜であるように思えます。
私たちの久留米は暮らしを彩る絣(かすり)や、らんたい漆器の品々を生みだし、芳醇な清酒を醸し、ゴムの産業をとおして日本を支え、豊かな大地は食の喜びを供してきた実績と誇りがあります。
しかし、いま久留米も緊急を要するさまざまな問題を抱え困難な事態のなかにあります。
一筋縄でいかない問題を解きほぐすにあたり、久留米に一番必要なことは政治を預かる者が陣頭に立ちすすみ、めざす方向とビジョンを示し、その実現に向かって、久留米の底力と人の和を結集するリーダーシップではないでしょうか。
祖先たちが汗と知恵を染みこませた、この大地の上に美しいマチ、心豊かなマチを築いて次の世代に手渡します。ふたたび市民の知恵と力と善意、そして徳を持ち寄って次なる世代に備えます。
地味ですが、着実に確実に、そして誠実に。