
大学生の頃は、よく「地質巡検」に行きました。
「巡検」とは、地表に顔を出している地層や岩を実際に見に行く野外学習のことです。
卒業論文では滋賀県彦根市東部の鈴鹿山脈に調査のために、のべ100日間山にこもりました。
滋賀県第一の多賀大社の近くに拠点を構えて、原付バイクで通いました。
そのときの拠点は、地元の小学校の先生が空き家を提供してくださったものでした。
その先生には時々ご自宅で夕食をごちそうになり、たいへんお世話になりました。
卒業して年数が経ち、結婚して東京に居を構えていた頃、帰省の際に立ち寄ってみましたら、その先生はすでに亡くなっていました。夫婦で線香をあげさせてもらいました。
若い頃、人の情けに支えられたことは、一生忘れられない思い出です。
その恩に感謝し、お返ししたいと思ったときには、直接返すことができない。そんなことも少なくありません。
だからこそ、自分が受けた恩は、次の世代にしっかりと送らなければと思っています。
「恩送り」「ペイフォワード」ですね。